金沢の伝統工芸をクローズアップするプロジェクトに参加することになりました。
視察のために、アトリエを留守し、2泊3日の金沢の旅に。金沢の伝統工芸は、加賀百万石の武家文化として栄え、様々な巧の技が見られます。まずは、加賀友禅伝統工芸士の工房でお仕事を拝見させていただきました。毎日毎日、絵付けのアイデアを着物の型にスケッチされるという日誌。頭が下がります。そこから図案→下絵→糸目糊→地入れ→彩色→伏せ糊→地入れ→地染め→仕上げと長い工程!下絵は反物を着物に仮縫いした状態で描き、それ以外の作業は、仮縫いしたものを再度ほどき反物の状態にして行うとのこと。下絵を露草の汁で写し、その上に糊置きし輪郭を白く残すとともに、色が染み出ないように防染する。この作業をいかに細く丁寧にするかで最後の仕上りに大きく影響する。すごく時間をかけて美しい線を引くのですが、青絵と糊は友禅流しで消えてなくなります。なんとはかなく尊い作業なのでしょう。黙々と線を重ねる職人をただ眺めて泣きました。 mitsue akiyama