最近、Facebookのシェアに外国人が行ってよかった東京が載っていた。新鮮なセレクトにびっくり。上位の方にランクされた林芙美子記念館はアトリエから自転車ですぐの中井にあるとのことで、行ってみた。スバラシイ日本家屋だった。「放浪記」で知られる林芙美子さんは、すごい男前の作家で、家族もペンで養っていた。この自宅を造るにあたっては、資金繰りから建築の勉強もして建ったのは五年後。木造モダニズムの山口文象氏に建築を依頼するが、自ら腕のいい宮大工を見つけ、京都の住居を棟梁と建築スタッフとともに沢山見て回り、寺社から桂離宮までいいところどりして自分の生活にぴったりと当てはめた。自分のやりたいことをカタチにするためのキャスティングも抜かりがない。日本建築にしてこの時代にトイレは水洗、電気は引かれたばかりなのに地中に埋めている! 地味で商家や武家屋敷的なところもあり、いろいろな要素が整理され、直線で表現されている。すごく好みでした。戦争もくぐり抜け、こだわり尽くした住宅に10年住んで他界。このあと、さらにこのエリアにある復元された佐伯祐三、中村彝アトリエを拝見。二人も若くしてこの世を去っている。半世紀生きるのも難しかった時代。自分らしさをこだわり抜いて真剣に生きるということを考えさせられた。 mitsue akiyama
裏門
美しい軒。縦格子は細く洋のプロポーションでシャープ。
かわいらしいお風呂。
硬質な漆喰には鉄が入っている。屋根裏部屋もある!
画家中村つねの使っていた椅子。