「金沢職人塾」職人紹介:金沢表具・武部 正典さん

武部さんは、1969年 石川県白山市生まれ。京都で修行され、1994年にご実家の拾翠堂を継がれています。2000年には、全国技能グランプリで石川県代表として準優勝され、表具1級技能士を取得。表具師として数々の賞を受賞されている凄腕職人です。


金箔職人の松村さんの菩提寺である、天台宗西養寺の約300年前の巨大な涅槃図を、1年がかりで修復するなど、文化財の復原にも多く携わっています。前田家の信望が厚かった西養寺さんは、このプロジェクトのはじめてのプレゼンテーションを行ったご縁のあるお寺です。


職業訓練指導員の免許も取得され、表具の世界を知ってもらおうと各地で講師をされています。
実直で仕事一筋、職人を絵に描いたような武部さん。寡黙に和紙に対峙する姿は、拝みたくなるほど清らかです。



今回の展示会では、メインとも言える100曲を超える屏風を製作していただいています。
その労力は想像できない程のもので、展示会までぎりぎりの作業となります。
普段は無口で柔らかい印象の武部さんですが、「表具を脇役から主役に」というプレゼンテーション案を聞いた時、そのまなざしが変わりました。職人魂に火がついたと思いました。

求道会館にその神々しい作品が並ぶことを心待ちにしています。 mitsue akiyama