恵比寿・M house
畳敷きの床下収納付小上がりがある暮らし

- プロジェクト名 恵比寿・M house
- 計画種別 マンション部分リノベーション
- 竣工 2019
- 計画地 東京・恵比寿
- 構造 RC
- 設計 SEKI DESIGN STUDIO
- 施工 たすかけ 岩井木工舎 金井畳店
- 撮影 浅川 敏
リビングの収納力を増やしたい・・・
ソファから畳での生活に変えたい・・・
茶事ができる場がほしい・・・
これらのご要望を受け、畳敷きの床下収納付小上がりを計画しました。
本体は、現状のリビングと機能美を成立させるために、高さ350mmの小上がりと高さ2015mmの壁で構成。
施主の雰囲気と既存の家具とのバランスから、ウォールナットの板目と縁なしの畳で仕立てました。
小上がりには、3つの床下収納と3つの引き出しを設けています。大切な着物を収納するために、2箇所の床下収納の内部には、調湿、防虫効果に優れた桐材を用いました。小上がりのダイニング側の出隅は、ダイニングの壁のラウンドとあわせて緩やかな弧を描くことで、空間との調和をとりました。壁は「床の間の壁」とみたて、場の特性をさりげなく強調し、スイッチ、コンセント、間接照明を納めるための「門構え」の形態を成しています。真鍮製のスイッチプレート、コンセントプレート、呼出しカン、無双釘は、馴染みの金工職人に古美色に染め上げてもらい、腕利きの木工職人さんに精巧に納めていただきました。
この場に合わせてダイニングとキッチンの照明の改善も計りました。既存天井の骨格と、白塗装が施されたスケルトン天井の表情を生かすために、器具そのものの姿がモダンで、連続した直線の光が印象的なライン照明を採用し、天井と梁の入隅に直付けしました。
施主はこの場を「南茶亭」と名付けました。