御殿山・W house

より良き住まいに再生
photo : satoshi asakawa
  • プロジェクト名 御殿山・W house
  • 計画種別    マンションの改修
  • 用途      住宅
  • 竣工年     2019
  • 計画地     品川・御殿山
  • 構造      RC
  • 計画面積    87.5㎡
  • 設計      SEKI DESIGN STUDIO
  • 施工      英興社・モービリティーポ
  • 撮影      浅川 敏

マンションは、高輪台地の最南端に位置する高台の「御殿山」にあり、周囲には18mを超えるクスノキのほか、椎木、桜などの古くから受け継がれてきた木々に囲まれている。エントランスに入ると、著名彫刻家の鉄製オブジェが鎮座する陽光溢れる開放的なギャラリーコートがあり、邸宅のような雰囲気を備えている。

コンセプトは、住まう人と住まいとの相互関係をより良好にすること。

アイランドキッチンと洗面台の水廻りを中心に、空間の形態を整え、建具を引戸にすることでスムーズな回遊動線を実現した。エントランスは戸建感覚を高めるために、正面に足元が空いた下駄箱を配置、直接部屋の中が見通せないようにしている。背面はリビングとのつながりと場としての魅力を高めるために、思入れのあるオブジェを光で満たす飾り棚を設けた。

リビング、キッチン、ダイニングはゆったりとした広さを確保し、ワークスペースのデスクは明るくて開放的な窓際に 計画。寝室は、壁面と同色の2枚のスライディングドアでプライバシーを確保し、部屋全体の奥行きとキッチンとの連続性を強調するために、面材はキッチン収納と同仕様にした。

寝室の窓際とクローゼットの壁は、湿気対策のために調湿効果に優れた珪藻土壁紙を貼り、カーテンは、 ウォークインクローゼットに収納した衣類の目隠しの役割を果たしている。

洗面台は、アイランドキッチンと同仕様で構成し、その時々の用途と気分に合わせ、羽で視線、光、風、景色をコントロールできる木製ブラインドを採用した。

トイレは、施主好みのパトリシア・ウルキオラの個性的なタイルと、アフリカのお面を際立たせるためのアッパーライトで、独特な雰囲気に包み込まれる空間に仕立てた。

寝室の窓際とクローゼットの壁は、湿気対策のために調湿効果に優れた珪藻土壁紙を貼り、カーテンは、 ウォークインクローゼットに収納した衣類の目隠しの役割を果たしている。

部屋の主な床材は、窓の外の木々との調和を考え、ナチュラルな色見の天然のサイザルカーペットを採用し、壁と天井と 造作家具の面材の塗装は、視覚的な変化による奥深さと空間に与える微妙なニュアンスを楽しむために、アースカラーを基調に5色の塗料を使い分けて、卵の殻ほどの艶を与えた。

施主好みの鳥のかたちをしたドアハンドル、不定形なオブジェのようなフック、私物の銅製のスイッチプレートなどを散りばめて、 施主のモノへの思いを取入れた。

施主の言葉では言い尽くせない感覚を大事にしながら、環境、建築の特徴、庭から見える木々との距離感や関係性などを家作りの主軸としたことで「我が家」と思える住まいに再生できたと思います。

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