代々木上原・I house
- プロジェクト名 代々木上原・I house
- 計画種別 マンションリノベーション
- 床面積 約79平米
- 竣工年 2024
- 計画地 東京・代々木上原
- 設計 SEKI DESIGN STUDIO
- 施工 藤倉工務店 山形緞通 BASIS
- 撮影 淺川敏
高身長なクリエイターお二人ならではの身体感覚と価値観から生まれた住まい。
リビング、ダイニング、キッチンは、空間のプロポーションを整えるためと料理を趣味としている奥様のために、既存の洗面脱衣室とキッチンの間仕切りを撤去して広々としたキッチンスペースを確保し、フルオーダーのI 型のキッチンとアイランドカウンターで、回遊動線と機能的な機器のレイアウトと計算し尽くした収納を実現しました。
リビングのソファセットは、お二人の身体感覚とインテリアとの一体感を調和させるために、寛ぎ方と使い勝手、空間の広さと形態、窓と視線などの関係性を思考し、木製のステージとミリ単位で設計したクッションで構成したオリジナルデザインです。
寝室の建具は、其々の収納を確保するためとシンメトリーの安定感から、壁のセンターとし天井までの引き戸としました。
奥様のワークルームの建具は、廊下と玄関までの取り込むためと、採光、風通し、視界の広がり、連続性、開放感から、壁一面を天井までのクリアーガラスの框戸と、プライバシーをコントロールするレースのカーテンで構成しました。
ご主人のワークルームは、壁一面の大容量の収納スペース、物の出し入れ、着替え、本棚との兼ね合いから、3方を目線ほどの板に囲まれたデスクを空間の中央に配置して、使いやすく動きやすい回遊動線を実現しました。
こじんまりしたトイレは、腰高程の収納で床の間のような窪んだ空間を与え、さりげない豊かさを表現しました。
リビング、ダイニングの廊下の床は、肌触りが良い毛色をオーダーした特注ウィルトン織りカーペット、キッチンとワークルーム2部屋の床は、油と水に強く、チェアのキャスターとの耐摩擦性とカーペットの色調を考慮し、亜麻仁油を原料とした、抗ウィルス、脱臭効果、ハウスダスト除去の効果があるモスグリーンの天然素材のリノリウムを敷き込みました。
玄関は、既存のタイルの上から薄塗りができる鉱物を主成分とする、耐久性と耐水性に優れたベルギーBEAL社のモールテックス仕上げ。
全ての部屋の壁と天井は、既存のクロスの上から施せる淡い卵黄のような色合いの左官材で覆いました。
ウィンドウトリートメントは、左官壁と馴染む色合いの2種類のブラインド、2種類のカーテン、アコーディオンカーテンを使い分けました。
お二人にとっての「言葉にならない心地よさ」を対話と共感から導き出しました。