特別なものではあるけれど、自分たちの暮らしに合うようにつくり替えたい。多田君枝さんにとってのそれは、祖母から伝わる古い仏壇だった。建築・インテリア雑誌の編集長である多田さんが考えついたのは「小さく、つくり替える」こと。家族の思い出と寄り添うものを、どのようにつくり替えて、どう祀るか。建築家・丸山弾さんも連携しての仏壇リメイクについて、3人で語り合った。
「自宅マンションをリノベーションしてほしい」という依頼には、人それぞれの要望がある。Fさんは、マンションという既成空間を、自分好みの空間にしたいと願っていた。40代のFさんの個性を大事に、男性の一人暮らしが住みやすくなるようデザインしていく様子は、リノベーションというよりカスタマイズといった方が近い。Fさんの住まいづくりを、施主とデザイナーで振り返ってみた。
佐藤さんには「パンが焼けて、サロンのようにも使える空間にしたい」という夢があった。心地よく暮らすことの中に、パンづくりも含まれていて、その夢の姿を思い描きながらの住まいづくりであった。それから6年、久しぶりに訪ねた佐藤邸では、思いがけず、新たな夢が育ちつつあった。
「思いっきりピアノを弾きたい」という目的で場所探しをしていた祖谷さん。思いがけず中古マンションと出会い、そこから自分の空間をつくろうと思い立って、築 30 年前後の空間をリフォームした。憧れだった松本民芸家具をはじめ、祖谷さんの大事にしたい暮らしのエッセンスがいくつも散りばめられた住まいを訪ねた。